天和通りの快男児~天~18巻より
赤木とひろゆきとの面談が始まり、自殺を思いとどまらせる説得の方法を考え込むひろゆきに対して
赤木「おいおい、そう押し黙られても困るな。そんなんじゃ何も始まらねぇ。何でもいいから話してみ。話せば動き出す。その動きの中で随時考えていけばいいんだ。展開しないぜ、このままじゃ。埒があかねぇとはまさにこの事」
ひろゆき「そりゃぁそうですが」
赤木「やれやれ・・・まるで詰め将棋だな。正着手が見えないと一手目から動けない詰め将棋。しかし、間違っている!それはこの世のありようと違う!不完全でもやはり動く事が道を開くこと。そうだろ?
・・・・じゃぁこうしよう。ここに1から9までのピンズが2枚づつ18枚ある。つまり1は2枚あるってことだが、この1を2連発で今お前が引いたら、その奇跡に敬意を表し生き残ろうではないか!決心を翻し生き残る。ただし、もし2連発で引けなかった場合はお前の腕一本貰おう。どうする?」
ひろゆき「(確率としては1/153か・・・ひどい確率だ・・・)」
赤木「ハハハハハ!おいおい!何考え込んでんだよお前。いいかヒロ。俺を生かしたいと思うならこんなもん即受けだよ!即受け!いいか、考えるな。負けの可能性なんて。今回みたいな場合はな。ただ勝ちに賭けりゃいい。負けた時は反故にしちまえばいい。腕一本なんていう馬鹿な取り決めは!」
ひろゆき「反故にですか!?」
赤木「そうさ。死んでいく奴との約束なんて知ったこっちゃねぇって反故にすればいい。お前にはそういうズルイというかいい加減なところがない。かくの通り、乱戦よ!勝負事は。通用しない。お前の生真面目さは!足を取られて終わりだ。だからもっといい加減になればいいのさ。柔軟になればいい。もっと。真面目である事は悪癖だ!かくあらなければならないなんて考えは悪癖だ!それがお前を止めちまった。」
ひろゆき「どうしてそんなことを言い出すんですか?止まっていたなんて」
赤木「どうもこうもねぇ。ただ、そう感じた。意味もなく。感じたんだ。今日会って一見朧だなって。命が煙っている。お前の全体からまっすぐ生きていない淀み、濁りを感じた。苦戦の匂い。立ち止まりを感じた。」
ひろゆき「よしてくださいよ!それって印象じゃないですか!根拠も何もないただの印象」
赤木「そう印象だ。でもそれで十分。おおよそ誤らない。その人間の状態をおおよそ誤らない。難しく考えることはない。命ってのはすなわち輝きなんだから、輝きを感じない人間は命を喜ばせてないんだなってすぐわかる。どうして命が喜ばないかと言ったらこれまたひどく単純な話。要するに動いてないのだ!
命の最も根源的な特徴は活動。動くってことだ。動かなくなったら即死なんだからよ。それは微生物から人間まで変わらない。多分、お前はあの東西線から9年間半死!わけわからないんじゃないか?自分でもこの9年間何をやってるんだか。」
ひろゆき「赤木さんにはわからない。へこたれる人の気持ちがわからない!やろうと思っても最初から萎えてしまう。心ならずも停滞してしまうそんな人間の気持ちがわからない!なぜなら何でも出来る人だから!」
赤木「そうかな?けどよ、仮にそうだとしても、そういう才能みたいなことと、命は関係ねぇだろ。いわゆる凡庸な奴の中にも輝いている奴はたくさんいるだろ?いるさ。いくらでもいる。楽しむか楽しまないかだけだ!」
ひろゆき「楽しむ?」
赤木「勝負するってことよ!」
ひろゆき「だからそれが無理なんですって!勝負を楽しむなんていうのは、あくまで勝つ人の話で上には上がある。赤木さんや天さんの麻雀には届かないってわかってしまった以上、もう勝負なんて勝負を楽しむなんて不可能でしょ!そんなこと!ただ傷つくだけじゃないですか!そんなことしても!」
赤木「そうかな?案外そうじゃないんだけどな。まぁいいや。そこは置いとこう。そこはヒロの言う通りだとしよう。しかし、そんなに悪いかな?傷つくって。思うようにならず傷つくっていうかイラつくっていうか、そういうの悪くない。まるで悪くない!俺はいつもそう考えてきた。痛みを受ければ自分が生きてるってことを実感できるし、何より・・・傷つきは奇跡の素。最初に一歩になる!
たいていの奇跡、偉業は初めにまず傷つきそのコンプレックスを抱えた者が、通常では考えられぬくらいの集中力や持続力を発揮して成し遂げるものだ!つまり、天才とか言われる連中の正体は、みなその類の異常者!さらりと生きてない。あいつらもさらりと生きてない。結局ハナっから勝つ人、負ける人なんていないんだ。結果表れるだけ。勝ったり負けたりが。決めるなよ。自分が勝てないなんて決めるなよ。
わかったもんじゃないって。勝ち負けはわからない。第一いいじゃないか。仮に負けても。何かをして仮にそれが失敗に終わってもいい。」
ひろゆき「そりゃぁ小さな失敗ならいいですよ。でも大きく人生そのものに関わる失敗てのは!」
赤木「それもいい。いわゆる世間でいうところの失敗の人生もいい!」
ひろゆき「メチャクチャ!どこがいいっていうんですか!そんな人生の!誰にも認められず軽んじられ疎まれ嫌われる。軽蔑や貧窮、そんな人生ってことでしょ!?どこがいいっていうんですか!そんなのの!」
赤木「そいつは嫌だな(笑)」
ひろゆき「そんな羽目に陥るくらいなら、まだ今の方が・・・まともっていうかそれなりっていうか・・・」
赤木「やっぱりそこか。今ヒロは今の方がまともって言ったが、そのまともって何?平均値、世間並みってことか?そういう恥ずかしくない暮らしってことか?知ってる?それだぜ!お前を苦しめているものの正体って。お前は、そのまとも、正常であろうっていう価値観と自分の本心、魂との板ばさみに苦しんでいたんだ。振り回されてきた。そのまとも、正しさに。
考えてみろ。正しい人間とか正しい人生とか、それっておかしな言葉だろ?ちょっと深く考えると何言ってんだかわからないぞ。気持ち悪いじゃないか。正しい人間、正しい人生なんて!ありはしないんだって、そんなもの元々。ありはしないが、それは時代時代で必ず表れ俺たちを惑わす。暗雲!俺たちはその幻想をどうしても振り捨てられない。一種の集団催眠みたいなもん。まやかしさ。そんなもんに振り回されちゃいけない。
とりあえずそれは捨てちまっていい。そんなものと勝負しなくていい。そんなものに合わせなくていい。そういう意味じゃ駄目人間になっていい!」
ひろゆき「・・・赤木さん・・・」
赤木「話しておきたかったんだ。今日それだけはヒロに。いかにもお前その辺に引っかかってそうだったからよ。さぁもう漕ぎ出そう!いわゆるまともから放たれた人生に!無論、気持ちはわかる。わかりやすい意味での成功。世間的な成功。金や地位、名声、権力、称賛。そういうものに憧れる。けどよ、ちょっと顧みればわかる!それは人生そのものじゃない。そういうものは全部・・・飾り!人生の飾りに過ぎない。
ただやる事、その熱、行為そのものが生きるってこと!実ってやつだ。成功を目指すなと言ってるんじゃない。その成否に囚われ思い煩い、止まってしまうこと、熱を失ってしまう事。これがまずい。こっちの方が問題だ。いいじゃないか!三流で。熱い三流なら上等よ。まるで構わない。構わない話だ。恐れるな!失敗を恐れるな!」
赤木とひろゆきとの面談が始まり、自殺を思いとどまらせる説得の方法を考え込むひろゆきに対して
赤木「おいおい、そう押し黙られても困るな。そんなんじゃ何も始まらねぇ。何でもいいから話してみ。話せば動き出す。その動きの中で随時考えていけばいいんだ。展開しないぜ、このままじゃ。埒があかねぇとはまさにこの事」
ひろゆき「そりゃぁそうですが」
赤木「やれやれ・・・まるで詰め将棋だな。正着手が見えないと一手目から動けない詰め将棋。しかし、間違っている!それはこの世のありようと違う!不完全でもやはり動く事が道を開くこと。そうだろ?
・・・・じゃぁこうしよう。ここに1から9までのピンズが2枚づつ18枚ある。つまり1は2枚あるってことだが、この1を2連発で今お前が引いたら、その奇跡に敬意を表し生き残ろうではないか!決心を翻し生き残る。ただし、もし2連発で引けなかった場合はお前の腕一本貰おう。どうする?」
ひろゆき「(確率としては1/153か・・・ひどい確率だ・・・)」
赤木「ハハハハハ!おいおい!何考え込んでんだよお前。いいかヒロ。俺を生かしたいと思うならこんなもん即受けだよ!即受け!いいか、考えるな。負けの可能性なんて。今回みたいな場合はな。ただ勝ちに賭けりゃいい。負けた時は反故にしちまえばいい。腕一本なんていう馬鹿な取り決めは!」
ひろゆき「反故にですか!?」
赤木「そうさ。死んでいく奴との約束なんて知ったこっちゃねぇって反故にすればいい。お前にはそういうズルイというかいい加減なところがない。かくの通り、乱戦よ!勝負事は。通用しない。お前の生真面目さは!足を取られて終わりだ。だからもっといい加減になればいいのさ。柔軟になればいい。もっと。真面目である事は悪癖だ!かくあらなければならないなんて考えは悪癖だ!それがお前を止めちまった。」
ひろゆき「どうしてそんなことを言い出すんですか?止まっていたなんて」
赤木「どうもこうもねぇ。ただ、そう感じた。意味もなく。感じたんだ。今日会って一見朧だなって。命が煙っている。お前の全体からまっすぐ生きていない淀み、濁りを感じた。苦戦の匂い。立ち止まりを感じた。」
ひろゆき「よしてくださいよ!それって印象じゃないですか!根拠も何もないただの印象」
赤木「そう印象だ。でもそれで十分。おおよそ誤らない。その人間の状態をおおよそ誤らない。難しく考えることはない。命ってのはすなわち輝きなんだから、輝きを感じない人間は命を喜ばせてないんだなってすぐわかる。どうして命が喜ばないかと言ったらこれまたひどく単純な話。要するに動いてないのだ!
命の最も根源的な特徴は活動。動くってことだ。動かなくなったら即死なんだからよ。それは微生物から人間まで変わらない。多分、お前はあの東西線から9年間半死!わけわからないんじゃないか?自分でもこの9年間何をやってるんだか。」
ひろゆき「赤木さんにはわからない。へこたれる人の気持ちがわからない!やろうと思っても最初から萎えてしまう。心ならずも停滞してしまうそんな人間の気持ちがわからない!なぜなら何でも出来る人だから!」
赤木「そうかな?けどよ、仮にそうだとしても、そういう才能みたいなことと、命は関係ねぇだろ。いわゆる凡庸な奴の中にも輝いている奴はたくさんいるだろ?いるさ。いくらでもいる。楽しむか楽しまないかだけだ!」
ひろゆき「楽しむ?」
赤木「勝負するってことよ!」
ひろゆき「だからそれが無理なんですって!勝負を楽しむなんていうのは、あくまで勝つ人の話で上には上がある。赤木さんや天さんの麻雀には届かないってわかってしまった以上、もう勝負なんて勝負を楽しむなんて不可能でしょ!そんなこと!ただ傷つくだけじゃないですか!そんなことしても!」
赤木「そうかな?案外そうじゃないんだけどな。まぁいいや。そこは置いとこう。そこはヒロの言う通りだとしよう。しかし、そんなに悪いかな?傷つくって。思うようにならず傷つくっていうかイラつくっていうか、そういうの悪くない。まるで悪くない!俺はいつもそう考えてきた。痛みを受ければ自分が生きてるってことを実感できるし、何より・・・傷つきは奇跡の素。最初に一歩になる!
たいていの奇跡、偉業は初めにまず傷つきそのコンプレックスを抱えた者が、通常では考えられぬくらいの集中力や持続力を発揮して成し遂げるものだ!つまり、天才とか言われる連中の正体は、みなその類の異常者!さらりと生きてない。あいつらもさらりと生きてない。結局ハナっから勝つ人、負ける人なんていないんだ。結果表れるだけ。勝ったり負けたりが。決めるなよ。自分が勝てないなんて決めるなよ。
わかったもんじゃないって。勝ち負けはわからない。第一いいじゃないか。仮に負けても。何かをして仮にそれが失敗に終わってもいい。」
ひろゆき「そりゃぁ小さな失敗ならいいですよ。でも大きく人生そのものに関わる失敗てのは!」
赤木「それもいい。いわゆる世間でいうところの失敗の人生もいい!」
ひろゆき「メチャクチャ!どこがいいっていうんですか!そんな人生の!誰にも認められず軽んじられ疎まれ嫌われる。軽蔑や貧窮、そんな人生ってことでしょ!?どこがいいっていうんですか!そんなのの!」
赤木「そいつは嫌だな(笑)」
ひろゆき「そんな羽目に陥るくらいなら、まだ今の方が・・・まともっていうかそれなりっていうか・・・」
赤木「やっぱりそこか。今ヒロは今の方がまともって言ったが、そのまともって何?平均値、世間並みってことか?そういう恥ずかしくない暮らしってことか?知ってる?それだぜ!お前を苦しめているものの正体って。お前は、そのまとも、正常であろうっていう価値観と自分の本心、魂との板ばさみに苦しんでいたんだ。振り回されてきた。そのまとも、正しさに。
考えてみろ。正しい人間とか正しい人生とか、それっておかしな言葉だろ?ちょっと深く考えると何言ってんだかわからないぞ。気持ち悪いじゃないか。正しい人間、正しい人生なんて!ありはしないんだって、そんなもの元々。ありはしないが、それは時代時代で必ず表れ俺たちを惑わす。暗雲!俺たちはその幻想をどうしても振り捨てられない。一種の集団催眠みたいなもん。まやかしさ。そんなもんに振り回されちゃいけない。
とりあえずそれは捨てちまっていい。そんなものと勝負しなくていい。そんなものに合わせなくていい。そういう意味じゃ駄目人間になっていい!」
ひろゆき「・・・赤木さん・・・」
赤木「話しておきたかったんだ。今日それだけはヒロに。いかにもお前その辺に引っかかってそうだったからよ。さぁもう漕ぎ出そう!いわゆるまともから放たれた人生に!無論、気持ちはわかる。わかりやすい意味での成功。世間的な成功。金や地位、名声、権力、称賛。そういうものに憧れる。けどよ、ちょっと顧みればわかる!それは人生そのものじゃない。そういうものは全部・・・飾り!人生の飾りに過ぎない。
ただやる事、その熱、行為そのものが生きるってこと!実ってやつだ。成功を目指すなと言ってるんじゃない。その成否に囚われ思い煩い、止まってしまうこと、熱を失ってしまう事。これがまずい。こっちの方が問題だ。いいじゃないか!三流で。熱い三流なら上等よ。まるで構わない。構わない話だ。恐れるな!失敗を恐れるな!」

